Jazz Vocalist 山口有紀のブログです


by yukijazzvocal

New York Day 8 その2

Julie Hardyのギグをききに、ダウンタウンへ。
ボストンにあるクラシックとジャズの名門校English Conservatoryを卒業したと
きいてたので、マニアックなジャズとおもいきや、
ギター、チェロ、ドラム、男性&女性ボーカルで、
すこしフォークっぽいポップ!

でも、アレンジやコーラスのハーモニーが、きちんとしてます。
作らない自然な発声で、きれいだったなぁ。

3セットあると書いてたんだけど、なんと、2セットめも同じ曲…
がーん。それなら、さっきのレストランのライブにもう少しのこっていればよかったなぁ。

まだやっているかもと思いZackに電話すると、ちょうど終わったばかりとのこと。
NY最後の夜、せっかくなのでピアニストのJesseも一緒に
3人でハングしよう!ということに。

観光中の私のために、ナイスアイディアをいただき、
みんなで並んで歩きながらブルックリンブリッジを渡ることに決定(笑)

電車と徒歩でブリッジに向かう途中、3人でいろいろなことを話しました。
JesseとZackは同じ高校の出身で、ZackがNYに来て落ち込んでいたときに、
Jesseが助けてくれたそうです。とてもポジティブな性格だそうです。

ひとりで練習をしていると、頭の中のヘンな場所にいっちゃうことがあるけれど、
ライブをすることでそのもやもやを解消することができる。
練習してライブをする、その繰り返しで上手くなる。
とふたりはいっていました。

練習したことが何より身に付くのは、ライブの瞬間だとJesse。

「毎日ピアノに向かうと、自分ができないことがあまりにも多すぎることに気づいて、
いやになることがある。でも、そういうときはひとつにしぼって、集中しながらやっていく。自分を責めるよりも、できないけれどだから何だ、それは大丈夫、問題ないことなんだ、と自分自身にやさしくしなきゃだめ。」
リラックスすることで、練習が楽しくなって、やり続けられるんだとか。

私も、練習しなきゃとか、時間がないとかで自分を責めることがよくあるし、いつもプレッシャーは感じているけれど、できないことをネガティブにとらえずにリラックスする、メンタルな部分が大事なんだなぁ。

Zackは15歳からシンガーを志している。
毎朝起きるたびに「自分はこのままだと人生の敗者になってしまう、だから練習しないと!」って思っていたときもあったけど、そんなときはよけい練習する気がなくなったとか。


そういえばトミーの友達の誰かも、
歳をとって偉大なミュージシャンは、
楽天的でリラックスしていることが多いって言っていたなぁ。


練習しなきゃという気持ちが強すぎると自分を責めすぎて、
練習がいやになる→そして練習しなくなる
という悪循環に陥らないように。

すごく大切なことを教えてもらいました。

Zackによれば、
音楽はやり続けることが大切、だそうです。
ブルックリンブリッジを渡りながら「強く自分を信じて行かなきゃだめなんだ!」と言うZack。
うなずくJesse。
その後ろにNYの高層ビル群。

そんなこと、日本だったらわざわざ声に出して言うことなんてないなぁ。
才能ある人や情報が多すぎるこの街で、自分を持つためには
強い精神力とパワーが必要なんだなぁ。
じゃないと、飲み込まれてしまう。

私はそんなに強く生きていこうと思ったことはない。
音楽だって、周りの人のおかげで生かされてきた気がしますl。
この街に住んでみたら、どうなるんだろう…。
色とりどりの夜景を見ながら、
一瞬自分が誰かわからなくなるような、不安な気持ちになりました。


どうやってジャズを勉強したの?と聴かれたので、
「ボイスを習った後に、歌を毎回全部レコーディングして聴きなおすのを続けたんだよ。」
というと、「そう!自分を録音して、自分が聴きたいように自分を教えていくのがすごくいい方法なんだよ!」と言っていました。
あと、自信が大事だとも。

そういえばJulieは、難しいフレーズを覚えるときは、自分の声でレコーディングしてそれを聴くと早いといってました。

「理論はどうしたの?」ときかれたので、「習ってないよ」というと
「ほんとに?理論についてすごく知ってるみたいに聞こえたよ。」とJesse。
今は耳でやっているけど、これからはしっかりピアノをやろうと思っていると伝えました。

私がラッキーなのは、日本でギグができていることだそうです。
NYではギグをするのが難しすぎて、
レギュラーのライブは少ないし、
若手の人気クラブであるfat catやsmallsだと、出演してもマイナスになっちゃうだそうです。
ライブをできる幸せ、日本ならではのメリットですね。

Zackは、学校と仕事が急がしすぎて、今は全然練習していないそうです、

すごく頑張る必要があるけれど、
日本でライブをしながらスキルを磨いて、
NYにたびたび来て刺激をもらいつつ人間関係を広げていけば、
NYでのライブも可能なんじゃないかって思いました。

ピアノの子のオリジナル曲も聴かせてもらいましたが、超ハイレベルで、
NYのレベルの高さを思い知りました。
たくさん曲を書いているそうです。
こんな人がレストランでスタンダードを弾いているなんて…。
セッションしにくるだけでも意味があるなぁ。

またZackは、いい先生をひとり見つけて習うことが大切だと言ってました。
Greg Osbyによれば、自分のやりたいことを理解し、
同じように感じてくれるミュージシャンを探すことが大切だそうです。
たしかに、歌はミュージシャンなしでは歌えない。
私は日本で、大好きなミュージシャンにたくさん出会っていて、ラッキーだなぁ。


キース・ジャレットのメンタリティーの話になったり、
学校の先生の話になったり、メディテーションの話になったり…
聞きたいことがまだまだたくさんありましたが、駅でふたりとはお別れ。

音楽についてこんなにヴォーカリストと語ったことがなかったから、
とてもいい刺激になりました。
最後の日に、たくさんのおみやげをくれたNYに感謝!
いつも最後は次に向かう道を教えてくれるNYの旅。
フレッシュになって、日本に帰って、しあわせなライブの日々がはじまります。

明日は帰国!
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by yukijazzvocal | 2009-05-09 18:30 | 雑記