Jazz Vocalist 山口有紀のブログです


by yukijazzvocal

New York Day 8 その1

今日一日で得ることの、なんと多かったことか!
昨日は寝る前にナブ子さんとなが〜いジャズライフ談義に。
霧生ナブ子さんは、ニューヨークのジャズシーンの一部になっている
数少ない生きた日本人の”ジャズガイド”さんかもしれません。
ご自身も歌ったり教えたりしているけれど、同時にNYのミュージシャンのコミュニティーに自然にコミットして、何も知らない私たちを色々なライブハウスや人との出会いに導いてくれる
本当にありがたい存在。

今までニューヨークに来たさまざまな人たちの人間模様を13年あまりにわたって
見ているから、説得力がある…!

ニューヨークに求めるものは人それぞれ違う。
ここに来た日本人のいろろな「夢」を見てきたナブ子さんと、
ニューヨークで学べること、日本でできることについて長い間話していました。

NYの魅力は、毎日すごい量の情報を得られること。
毎日新鮮な刺激があること。
偉大なミュージシャンの演奏を聴きまくり、ときには一緒に演奏できること。
ミュージシャンと一緒につるんでいるだけでも学ぶことはたくさんあるそうで、
ロバータガンバリーニなども、伝説的なミュージシャンといつも一緒にいるそうです。


自分についてわかったのは、人との出会いに恵まれているありがたさ。
知識や理論も大切ながら、実際のライブで学べているありがたさ。
自分を日本人ミュージシャンとして客観的に見たときの立ち位置。
自分のイメージの中にあるコンプレックス。
日本のジャズのとらえられ方、アメリカのジャズの広さ。
とてもここには書ききれません。
私が日本でやってきたレコーディングなどを聴いてもらったりもしました。
日本では夢中でやっているので、客観的に自分がやっている音楽を俯瞰することができないけれど、幅広くてユニークな音楽を、素晴らしいミュージシャンのみなさんと演奏し、育てていただいていることに新めて気づき、感謝したいと思いました。
そんなナブ子さんとの出会いをくれた、東かおるさんに、本当に感謝しています。

さて、久しぶりにゆっくり寝たら、朝。
やっと時差ぼけがなおった!明日帰るけど(笑)
Jamesさんと、ナブ子さんと話したあと、ゆっくり朝食をいただきました。

午後からはボーカルアンサンブルのコンサートがあるのでまたCity Collegeへ。
もうみんなとたくさん話したので、廊下でいろんな子たちがあいさつしてくれます。
本当にフレンドリーでいい子が多いなぁ。

コンサートは、Julie Hardy先生のの面白いアレンジ。
コーラスの中でひとりひとりがソロをとります。
ボーカルって、面白い楽器だなぁ。
いろんな人種が混ざっているから、声や歌い方も全く違う。
韓国人、日本人、アメリカ人、スイス人、メキシコ人…
スキャットソロがめちゃめちゃうまい子がいたけど、後できいたらクラシック科の子らしい…。
アメリカ、おそるべし。
面白いボーカリーズをたくさんやってました。

終わった後、イスラエル人のyalaに話を聴くことに。
ひとこと話したときから、「声がいいなぁ」と思っていたのですが、
NYでもfatcat やsmalls、SMOKEなどのライブハウスで歌っているそうです。
SMOKEには毎月でてるんだとか。
若いのに、素晴らしい!
日本でもCDを発売するそうです。

NYでギグをゲットするのはすごく大変らしいです。
クラブにデモをおくり、メールをおくり、電話して、また写真を変えてデモを送り、
メールを送り…その繰り返しを果てしなくするらしいです。
かなりレベルの高い学生でもなかなかパフォーマンスできない。
卒業してバイトをしながらライブをさがすけど、
歌より、生きていくのに精一杯になってしまうパターンもあるそうです。
ハードですね。

yalaによるとNYでライブをしていてもサバイブするのは大変らしいです。
小さなころからクラシックや声楽、ピアノなど音楽人生を歩いてきた彼女は、
NYという、一番いろいろなことが起こっているところで、やってみたかったそうです。
恐怖でやりたいことをあきらめないように、といってました。
でも、どうやってサバイブするかについてはできるだけ考えないようにしていると。
Life is hard!とひとこと。
でも、好きなことをしてベストを尽くしている彼女は、
精神的にとても落ち着いて大人に見えました。

オフィスに戻ると、話を聴きたいと思っていたスイスからの留学生、Emilyが。
アレンジクラスでやっていたイントロのアイディアをどこからもらったのか
聴いてみると、chick coreaだと。
スタンダードを歌うときに、コンテンポラリーなインストのアイディアを取り入れる。
Good Bye Pork Pie Hat で同じフレーズを二度歌っていたと思ったけれど、
自然にインプロしてたらしい。
すごく耳と感性がいいんだなぁ。
彼女いわく、スイスの大学の方が理論が難しかったそうです。

おなかぺこぺこで、ダウンタウンのインド料理やさんに向かうことに。
電車の中で、好きな音楽について聴きましたが、さすが、めちゃめちゃマニアック!!!!
聴いたことのない知るひとぞ知る世界中ミュージシャンのオンパレード。
しかもフルートとか、電子音のレコーディングとか、インドのカルナティックミュージックの先生とか…ヴォーカルじゃない。
覚えられないので、ふたりの好きな音楽を全部書いてもらいました。
私のおみやげは、紙一枚ですんじゃいます(笑)

アレンジのクラスとハーモニーのクラスは、とってよかったそうです。
耳や考え方がかわるんだとか。

レストランなどのギグでも、面白いことしてるんだろうなぁ。

インド料理やさんで、南インドの料理、ドーサイを頼んで話しました。
メキシコからきた女の子は、NYで結婚したので今は住んでいるけれど
NYの学校に行った後にオランダに行ってジャズを学ぶつもりだったとか。
世界の学生は、視野が広い!
NYにいるだけもこれだけ視野が広がるのに、世界に出たらどれほど変わるのか。
NYはそれ自身が学校だ、とトミーが言っていたのを思い出しました。
ふたりとも、NYに来たことによって、
たくさんの意味で人生が大きく変わったと言っていました。

コーネリアスの話になったりして、面白かったなぁ。
彼女たちのアンテナは、世界に広がっている。
そんな若いミュージシャンと話すだけでもかなり視野が広がるし、
たくさんのことを学ぶことができます。
ドーサイを食べているそのカフェが、世界の中心のような気がしましたよ。

ふたりに、自分のデモを送る約束をして、50thと1stにあるレストランで、
City CollegeでインプロがかなりうまかったZackのギグへ。
Emilyがかなり影響を受けたといっていたので楽しみに。

入るとすでにpiano duoが始まっていて、all of me を歌ってましたが…
ん?なんかふつうじゃない!
メロディーをなぞって歌っていることはほとんどなくて、音のチョイスが楽器みたいです。
でもオールドファッションドなスタイルじゃない、新しい音。
日本でも、売っているCDでもまず聴くことのないフレージング。これが、個性なんだな。
all of me、lush life,and I love her、blue skies、nature boy、girl from ipanema、ニールヤングのharvest moonと、a childなんとかっていう曲…
ふつうのスタンダードがほとんどなんだけど、
今まで聴いたことのないフレージング、スウィングというよりも、
刻んでるのに近いリズム、音のチョイス、おおきくアウトしてゆっくりもどってくる歌い方、
スティービーっぽいビブラート…
日本でこれやってたら、毎日行くだろうなぁっていうぐらい、素晴らしくて、面白い!
でも、お客さんは、ひとりも聴いてない!(笑)
日本に生まれて、よかった…

声を張り上げてトラディショナルなスタイルで歌うことはほとんどなく、
でもスキャットはビバップスタイル。
相当インスト聴きまくってピアノでハーモニーをかなり研究してる感じでした。
cornelia street cafeでライブしたそうです。

1setが終わって早速、「誰が好きなの?」と質問(笑)
jason moranoが大好きで、15歳のときにFred Herschにインスパイアされて
ジャズをはじめたらしい。でも、NYに来たり、戻ったり、学校に行ったりやめたりを繰り返して、
全く歌ってなくて落ち込んでいたときもあったとか。
部屋にこもって超貧乏で、ひたすら音楽を研究してたときもあったそうです。
練習法は、チャーリーパーカーはもちろん、
チックコリアやハービーハンコック、マッコイタイナー、パットメセニーなどのソロをひたすらコピーしたり、ハーモニーを研究してたそうです。
ピアニストを研究すると、ハーモニーとメロディーの関係がわかりやすいのかな?
帰ったらとりあえず、チャーリーパーカーの耳コピ&ピアノ特訓は間違いなく決定です!

ほかにはRadioheadやBob Dylanもやるらしい。でもスティービーはやれないらしい。
Paul Simonの曲をやってるといったら、「僕もやるとしたらその2曲だと思う。」と。
Fred Herschの曲の美しい曲の譜面をもらったので、帰ったらやります。
趣味が似てるヴォーカリストに会うことはほとんどなかったけど、EmilyはGretchenが好きで15回レッスンを受けていたほどだし、NYはたくさんいて、すごく刺激になるなぁ!

「一曲シットインしたら?」といってもらって、
譜面を持ち歩いていたので、シットイン。
もちろん誰も聴いてないけど、いい声してるね〜!と言ってもらえました。

JulieHardyのライブに行くため出ようとすると「もう一曲!」
ありがたいなぁ。
ピアニストの彼も一緒に「耳がいいし、スピリットがあるね!」と言ってくれました。

ふたりはもうすぐブルーノートやfat catでライブするんだとか。
そんな人たちがふつうにレストランにいて、シットインできるなんて、NYすごいなぁ。
フィーリングがあったら、バンドに入ったり、普通にライブすることにもなるわけで…
まさに街全体が、大きくてリアルなジャズの学校。
こちらに残って演奏するミュージシャンの気持ちが、すごくわかりました。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます!
その2に、つづく…!!
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by yukijazzvocal | 2009-05-09 17:40 | 雑記